第393話猫とねずみ

「これはアクセルが絡んでいる気がする。ただ、あいつは尻尾を掴ませないよう、うまく痕跡を消している。表に立たされた人間は、ただの身代わりだ」

ダニエルは陰りを帯びた顔でそう答えた。

彼はギルバートの向かいに腰を下ろす。機嫌の悪さに気づいたギルバートが、黙って酒を注いだ。

ダニエルはグラスを取り上げると、一息に飲み干した。

普段、こんな飲み方はしない。

今回は、相手が明らかに一線を踏み越えた。ダニエルは本気で怒っていた。

「どうしてアクセルだと分かる?」

恋が絡めば、誰だって理性を失うことがある。

ダニエルのような男でさえ例外ではなかった。

これまでの彼なら、確たる証拠もないのに...

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